双子、サブキャラにいたら。 ―会長の切り札―

 せっかく月にいくらかラノベだの漫画だのを読んでいるのだから、少し感想を、とか思って、とりあえず今日2巻通して読んだこれでもいってみます。
 
 クライマックスを長くだらだらと続け、結局面白さの頂点がわかりにくくなってしまう作品と、そこに至るまでの過程を大事にしてこつこつ積み上げていくのだけれど、起こっていることがとびとびすぎて全体の一貫性やバランスを失してしまった作品、どっちも欠点が際立っちゃって、読んだあと物足りなさとかむなしさを感じてしまう気がするんです。ちなみに今回は後者。――と書いてみたはいいけれど、作品の内容について語ったって楽しくないし、語る言葉をそんなに持っているわけではないので、この日記ではキャラクターのことについてばかり取り上げようかと思ったり。思わなかったり。

 二冊読んで思ったのは、麻衣ちゃんが芽衣ちゃんに比べて待遇が悪いなぁ、ということ。
 サブキャラクターとしての双子、と言うのは、上手く作品の中に登場させて、かつそれぞれが何らかの違いを見せつつ、双方ともにある程度活躍すると言う状態がベースにないと、話の中で双子と言う特性を生かしていくことが難しくなります。全く違う二人で、登場は大体同じくらいと言うならば、双子という枠にあてはめるより関係ない二人、にした方が話のバリエーションは増えるでしょう。逆に、全く同じような二人のうち、一人ばっかりが活躍! というのは、もう一人の存在意義が疑問視されます。もちろん、あえてそういう設定をたて、話を面白くすることも出来るでしょう。ただその場合は、メインキャラクターレベルとしての双子という扱いが多くなる、そんな気がします。
 さて、麻衣芽衣ですが、「親の趣味で」麻衣ちゃんは男の子のように、芽衣ちゃんは女の子のように育てられます。ちなみにどちらも女の子。髪型やしゃべり口調、役回りが異なっていて、双子だと認識できるのは二人で掛け合っているときや、人物描写として地の文で語られているとき。というわけで、別に双子じゃなくても普通に機能するキャラクターなわけです。ボクっ子でショートヘアーな女の子と積極的で活発なツインテールの女の子。ほら、二人に分けても機能しそうでしょ? そんな中であえて双子として登場させているのだから、物語にそれなりに重要となりえる、もしくはキャラの魅力を押し上げうる、もっと決定的に似ている点と言うものがあってもおかしくはないわけです。逆に、似通ってない部分を積極的に利用して、一方があるところで活躍し、もう一方は別の場面で別の活躍をする、そういう展開もいいかもしれませんね。とまあこんな感じでいくらでも麻衣ちゃんの活躍の場はあるはずなんですが、あまりない。特に二巻。だって彼女はいなくても物語が成立しますよ。恐らく芽衣が一人っ子でも進められるのでしょう。何がすごいって、挿絵とかをみると、芽衣ちゃんは全部で4枚か5枚くらいはいるのに、麻衣ちゃんは(本の中で)いままで絵が出てきていない。芽衣は地味に活躍していて、発言もそこそこあるのだけれど、同じくらいキャラが立っててもいいはずの麻衣は何故こんなにも冷遇されているのでしょうね。ボクっ子、頼まれると断れない感じの流されやすさ、仕事はちゃんとやろうと頑張る、敵であっても助けてくれた人には素直に感謝出来る優しさ、快活な妹に対しての穏やかさ。十分キャラ自体は立ってると思うんですけどね、これらの情報が本当に断片から想像されたものでしかない程度の活躍で終わってしまっているのは残念です。まあ、三巻とかに期待すればいいんでしょうか。・・・・・・無理かな・・・・・・
 とりあえず、最後に一番率直な感想として。カラーで麻衣ちゃんが見れますように。